腹びれ (デイトナ製 グランドエフェクター)

 

ロードスター初代開発主査の平井さんの講演会に高松(四国の香川県)へ3月の初めに行って来ました。その日は3月に入ったばかりだというのに日中は20℃を越えてオープンだとちょっと暑いような日。当然ちょっとおかしな気圧配置で夜のニュースでは、東北で強風によるトラックの横転事故等が報道されていました。

で、神戸から高松のルートは、 明石海峡と鳴門海峡の2つの海を越える橋を通ります。行きはよいよい〜♪だったのですが、平井さんとも直接お話が出来、四国の友人にも会え、気分転換にはすごく良い一日でした・・・・・の帰路、鳴門海峡を越える橋の上でロードスター真っ直ぐ走りません(^ ^; 強風です。もう絶えず修正舵を当て続けて無いと法定速度維持出来ません。

へろへろになって、淡路島南端のSAで集合休憩。疲れた・・・・という話をしていると、NCロードスターのオーナ曰く、「全然平気」。
つまりNAとNCとでは、揚力係数CL値が段違いに違うのだろうということです、うーん。

車の空気抵抗を表す値としては、抵抗係数のCD値が有名ですが、浮き上がる度合いを示すCL値が高速安定性には重要だと思っています。


グランド・エフェクター

CL値を向上させる意味合いで販売されているのが、デイトナのグランドエフェクターメックアイのUFSの2種類です。

これらは、フロント下部から入ったエアーをボディ左右に逃がすことで、その後方に負圧帯を作って揚力を減らそうという発想のものです。メックアイのUFS(アンダ・フロア・スポイラ)というネーミングの方が解りやすいですね。

レーシングカー・デザイナの由良 拓也さんのwebサイトゆらたく屋で由良さんが書かれている「ひと筋縄ではいかない! ツーリングカーの空力」に、最新のツーリングカーにおいては、入るものは仕方が無いのだから、積極的に空気を入れてしまって排出すれば良いという話が共通性があって面白いです。

製品の画像を見ると、申し訳程度のヒレ状のゴムが付いてるだけで、これでどれだけの効果が・・・な感じです。
そこで、web上を探索してみると

とのポジティブな話を見つけたので、鈴鹿で効けば横風にも効くし、鈴鹿で幾らかでも効けば十分とデイトナのグランド・エフェクターを購入しました。

ちなみに、オカルト燃費向上グッズやパワーアップ・グッズは技術屋として苦笑して見てる側です(^ ^;;

 


取り付け

大げさな箱に入ってきます。

中身は車種別に作られた形状のベースのアルミ板に汎用のリップ用ゴムをリベット留めした本体。車種用のステー及びボルト&スペーサ類、取り付け説明書です。

ボルトは頭に強度を示す数字が書かれたフランジ形状のものですので、ちゃんと強度規定されている的確な形状のボルトです。ボルトの長さも微妙に異なるものが前後用に入っていました。サブフレームの固定ボルトと入れ替えて使いますので、このへんがしっかりしてるのは好感度大です。


汎用で売られているスポイラ用ゴムの背の低い方と同じ約20mmの高さ。

詳細な取り付け方法は、取り付け説明書を参照(^ ^)
以下は取り付け説明書では解りづらい部分だけ書きますです。

取り付けは、このサブフレームを固定している2本にボルトを交換して行います。私の車両には、CUSCOのフロント・ロア・アーム・バーVer1が付いていますが、干渉しませんでした。

ステーの角度。この角度になります。

当り音防止用のスポンジテープは、フレームに沿った形に貼るのが良いかも。
画像では、フレームに合わせて曲げて貼ってあります。

ステーと本体を止めるボルトに緩み止めの接着剤を塗ってます。ナットはフランジ付きで緩み防止のギザギザが付いてますので、しっかり締まりますが、細いボルトなので念の為な対策。

左側。取り付け完了な画像。

(純正の補強バーが付いてる車両は取り付け方法が変わります。1個使ってない穴が見えるのはそのため)

完了。

リフトアップ出来る環境があれば、1時間程度で取り付け出来ます。


眺めてみる

取り付け後

取り付け前

CUSCOのロア・アーム・バーにかなり隠れます(笑)効果的にはよろしくないでしょうね。
所詮20mm程の高さですので、はい。

 

車両後方45°からの眺め

前からだとバーに隠れてますが、後ろから見るとグランド・エフェクターの後方にエフェクターの影になる空間がそれなりにあるように見えます。

 


抗力と揚力(空気の及ぼす力)

 

抵力(空気抵抗)は速度の2乗に比例して高まります。車を後ろへ押し戻す力(前後方向の力)です。
下のグラフはNAロードスターにおける走行抵抗と空気抵抗で、走行抵抗が占める割合を示しています。

Rx = 1/2 × Cd × ρ × V^2 × A

Rx:抵力(単位は[kgf])
Cd:空気抵抗係数 0.38
ρ:空気密度 0.13
V:速度(単位は[m/s])
A:全面投影面積:1.64[m^2]

走行抵抗:17.85[kgf]

 

揚力も同等の以下式です。この力は車を浮かすまたは押さえつける力(上下方向の力)です。
速度が上がればより顕著な効果が望めます。鈴鹿で圧倒的に効果があったとの記載も速度域から考えると納得出来ます。

Lx:揚力(単位は[kgf])

Lx = 1/2 × Cl × ρ × V^2 × A


実走(公道編)

とにかく走ってみました。

50km/hから体感出来ます!というCM コピーですが、さすがにそれくらいでは何がどうとも感じません。
だいたい50km/hくらいで、窓から手の平出して広げたり閉じたりしても、さほど大きな抵抗感じないですもんね。

特に市販状態よりバネレートが格段に高い状態ですので、そもそも低速では車両の姿勢が大きく変化しないため余計に体感は出来ないだろうとは思います。

が、60km/h規制の港へ抜ける橋の上りで、ステアリングの据わりがいいなぁ・・・・という妙な感じ。フロント荷重が抜ける上り坂、継ぎ目有りの橋という条件で、実はナビの電源ONにするのに左手をダッシュボード中央に伸ばしたシートバックから背中が浮いた姿勢だったのですが、ステアリングにさほど注意を払わなくても綺麗に直進してます。
足硬いので、跳ねると走行方向変わりますし、純正アライメントよりトーアウトになってるうちの車なのですが。で、後続車が居なかったので、両手のステアリングを握る力をほぼ抜いて、車の好きなようにさせてみると、やはり直進性が良いような感じです。

まぁ、手の平実験から考えると、この程度までであれば、プラシーボ効果(精神的な暗示効果)の範疇くらいでしょうか。

20km/h差では、市街地と似たような感じですが、ステアリングのセンタリングが幾ばくか強くなった感触です。

うーむ。横風に強い日を待って再度試してみます。

ふらふらする度合いは明らかに減少方向に影響しているようです。高速で長距離を移動する時の疲労感は軽減出来るのではないかと思います。例えば名神高速の一番右側のレーンで流れに乗って走っていると、片手運転はちょっと危ないNA6CEですが、これがどうなるかもうちょい試走してみます。

 


実走(鈴鹿サーキット編)

走ってきました。

ん゛ーーー、解りません(爆)
人間の方のリミッタが一番の問題ですけど(笑)、明らかに効いている!という感じはなし。
グランド・エフェクタ無し(2006年秋)と有り(2007年春)の130Rコーナを比べてみました。2007年の方が10km/h程高い速度で進入しているので、それだけ安定してるのか?ですが、体感は無い・・・。

2006年と2007年の車両差異: ダンパの減衰調整が微妙に違うのみ

 

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