ロードスターのエンジンスペックを比べてみる

 

ロードスター各車のエンジン特性を比べてみました。

最大数値的には以下の表のようになってます。

車種

最大出力
(ps/rpm)

最大トルク
(kg-m/rpm)

NA6CE (MT)

120/6500

14.0/5500

NA6CE (AT)

110/6000

14.0/4500

NA8C

130/6500

16.0/4500

NB6C

125/6500

14.5/5000

NB8C (マイナ前)

145/6500

16.6/5000

NB8C (マイナ後)

160/7000

17.3/5500

 


グラフにしてみる

各種公式発表資料の表から数値を取り出してまとめてみました。グラフから数値を読み出したので多少不正確です。

NA6CEのエンジンはMT用とAT用でカムやピストン等が別部品となる別物のエンジンです。NA8C以降はMTもATも共通特性です。

NB8C (マイナー後)は、ロードスターの羅針盤メーリングリストで渡邉@広島市さんに整備書(ROADSTER整備書 追補版 2000-6)掲載のグラフから読み取って頂いた値です。

 


特性を考えてみる

B6に比べるとBPは中低速型の特性と言えますね。

NA6CE(MT)のB6の場合は、4000rpmを越えてからトルクが盛り上がってきますので、非常に高回転型ですね(NB6CはATの設定を考慮してかやや下寄り)。NA6CEが高回転型なのは、当初MTのみの設定で設計したせいかな?。NA8C、NB6C、NB8CはATでも共通エンジンですので、ATを考えると極端な高回転型には設定できなかったはずです。NA6CE(MT)の最大トルク発生回転数が、歴代のロドスタで最も高いのはこのせいかもね。

NB6CのB6は、NA6CEのATとMTの丁度中間ってのが、示唆に富みますね。改良で得たパワーを扱いやすさとATへの対応へ使っちゃったって感じですよねぇ。NA6CE(MT)のB6の特性のまま、パワー出してくれれば面白いのに〜。

NA8CのBPで6500rpm時のトルクは3000rpm時のトルク程度しかありません。NA6CE(MT)のB6の場合は、6500rpmでのトルクは4500rpm時のトルク程度ありますから、回しても回りたがらない重い印象のあるNA8Cの印象を裏付けます。当然ながらB6よりトルクはあるんだけど、4500rpmから上でどんどん落ちてくるので、印象としては上で重いと感じちゃうんでしょうね。

NB8C(マイナ前)の場合、6500rpmのトルクは、4000rpmのトルク程度となっています。NA8CのBPよりは回りやすいってことですね。
NB8CのBPの最高トルクは5000rpmで、NA8Cに比べて500rpm上の設定です。これは、可変吸気システムによって下側のトルクが十分確保できた賜物だと思われます。
可変吸気システムとは、5250rpmで長い流路(低中速回転用)と短い流路(高回転用)を切り替えるシステムです。これにより、上も下も適合するインテークマニフォールド長が確保できてるんで、下でもトルクが厚く上でも落ち込みが少ない特性がほとんど同じBPエンジンで実現できてるんでしょうね(当然、他の色々な改良もあるんだけど・・・)。


トルクウエイトレシオ

通常はパワーウエイトレシオ(kg/ps)なんですが、トルクウエイトレシオ(つまり 車重 ÷ トルク)を計算してみました。実際の車の加速感ってのは、これで決まると思います。トルクの数値が大きくても重ければ生かせませんし、例えば最大トルク発生回転数が低ければ、回りたがらない&回さない方が速いってことになります。また、いくら額面馬力があっても、その回転数に素早く到達出来るだけのトルクが無いと回らない〜ってことでもあります。

T: トルク(kg-m)
R: 回転数(rpm)
P: 出力(ps)
とすると、

P = T x (2π x R / 60) / 75

説明は省かせてねん(^-^;。例えば、4000[rpm]で13[kg-m]だと
P = 13 x (2π x 4000 / 60) /75
  = 72.5[ps]
となります。

したがって、出力は回転数とトルクで決まります。でも、回転ってトルクが無いと上がって行かないし、回転が上がるとしても20秒かかって上がるか、10秒で上がるかで額面馬力以上に差が出るのは明白ですよね。

一定負荷でアクセル踏んでる場合、回転の上がり方の感じってトルクウエイトレシオのカーブみたいな雰囲気になるんじゃないかと思います。

(注:NAはオプションのエアコンを10kgと仮定して算出)
(注:NBはエアコンを標準装備)

トルクカーブだけで見るより各車の特徴がちょこっと出ますねぇ。
計算に使った車重は以下の表のものです。

車種

モデル

重量 (kg)

NA6CE (MT) スペシャルパッケージ(エアコン装備)

940+10(SP車装備分)+10(エアコン)= 960

NA6CE (AT) スペシャルパッケージ(エアコン装備)

980(SP車)+10(エアコン)=990

NA8C (MT) スペシャルパッケージ(エアコン装備)

990(SP車)+10(エアコン)=1000

NA8C (AT) スペシャルパッケージ(エアコン装備)

1020(SP車)+10(エアコン)=1030

NB6C (MT) スペシャルパッケージ

1020

NB6C (AT) スペシャルパッケージ

1040

NB8C (MT) マイナ前 RS

1030

NB8C (AT) マイナ前 RS

1060

NB8C (MT) マイナ後 RS

1080

(注:NA6CEは前期型、NA8CはSr.1の重量です)
(注:NA8C,NB#Cは、ECUの差異等でカタログの出力値はMTとATで違いがありますが、MTのエンジン値のままATも算出しています)


単位
最近使われ出したSI単位(Systeme International d'Unites, International System of Unites)について

国際的な表記単位統一に伴って、最近のカタログもSI単位(N = ニュートン)で表記されるようになってきました。旧単位も併記されてますが、だんだんSIだけになってくんでしょうね。でも、なかなか慣れないです、コレ。

ついでに換算式を載っけておきます(^-^)/

仕事

kgfm (kg-m)

Nm

1

9.80665

1.01972 x 10-1

1

 

仕事率

ps

kgfm/s

kW

1

75.0000

7.35500 x 10-1

1.33333 x 10-2

1

9.80665 x 10-3

1.35962

1.01972 x 102

1

 


でも、実際は・・・

でも、当然ながら乾燥重量ですので、実際はもうちっと違ってきます。
燃料、オイル、ドライバ、助手席の恋人(笑)、トランクの工具やキャンプ用品や e.t.c.。

例えば、ドライバですが、「K醤油屋さん」と「Hろちゃんで〜す☆彡」という2人が、

1[K醤油屋さん]=100kg
1[Hろちゃんで〜す☆彡]=1/2[K醤油屋さん]

として・・・尚、実在の人物とは多少関係があります(笑)。
ここで、K醤油屋さんが乗るNA8CとHろちゃんで〜す☆彡が乗るNA6CEのトルクウエイトレシオを比較してみると・・・、


こんな感じになります(^-^)

助手席の彼女に過激なダイエットを強要しないように(笑)。

自分の車は、どこの回転数を維持すれば効率が良いか研究してみて下さい。
NB8Cは違うけども、NA6CEとNA8CとNB6Cはギア比がおんなじなんですが、こんだけ特性違うとギアの使い方も変わっちゃいますよねぇ。NA8CはSr1とSr2でファイナルギアが違う(Sr1は4.1、Sr2は4.3。NA6CEとNB6Cは4.3)んだけど、エンジン特性からどっちのが合ってるか考えるのも面白いよん。

NA6CEに乗ると妙に面白いのは、非力な高回転系エンジンをうんうん回す楽しさでしょうね。まぁ、遅いんだけど(笑)
              ↑
     最後にNA6CEを誉めて終わっときます(^-^)/

 

EXCELで作成したデータ使って遊んでみます?
注1: データは表から読み取った値ですので、不正確です。
注2: ファイルはEXCEL5.0形式でLZHで圧縮されています。

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掲示板に書込みを頂きました。

ひろちゃんで〜す☆彡さん 問題は。。。 書き込み:10月22日(日)15時08分05秒
『ロードスターのエンジンスペックを比較する 00/10/20』
見たよん♪ (*^o^*)ちょっと難しかったけど(*^.^*)えへッ

>1[K醤油屋さん]=100kg
>1[Hろちゃんで〜す☆彡]=1/2[K醤油屋さん] として・・・

問題はこの公式が成り立っているかどうかだな。。。(爆爆)
ここで私はいったいどんな反応をすれば良いんだろう。。。
この公式だと私の体重は50キロということになる。
黙っていると50キロオーバーだと認めた事になる。
ΣΣ┏(|||`□´|||;;)┓

ここは無難に怒っておくべきか???
『いや〜〜〜〜ん、mhoohmさんったらひど〜〜〜〜い!!!!』

コーナリングスピードは、足と、タイヤと、車重で決まるらしいです。
同じ足とタイヤだったら、車重の軽い車ほど有利という訳ですね。

コメントは控えさせて頂きます(^-^;)

11July'04,22Oct'00,20Oct'00

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