NA6CE(1.6Lのロドスタ)のATを もっと理解して100%性能を引き出し、MTのロドスタに一泡噴かせるために(ヲイヲイ)、機能と作動パラメータをまとめました(^-^)。まぁ、日常の運転でも、知っていると便利ですよ。
ここに書かれている内容はE-NA6CE(1.6Lのユーノスロードスタ)のATの値ですので、E-NA8C(1.8Lのユーノスロードスタ)や、現行モデルのマツダ・ロードスターのATに使用されている電子制御E-ATには、適用できません。
ロックアップとエンジンブレーキ
O/Dには燃費等の走行性能向上のため、ロックアップ機能を有します。ロックアップとはトルクコンバータを機械的に接続し滑りによるロスをゼロにする機能です。
ロックアップ及びエンジンブレーキの各セレクタレンジにおける動作を下表に示します。
レンジ |
ギア・ポジション |
ロックアップ |
エンジン・ブレーキ |
P |
- |
- |
- |
R |
- |
- |
○ |
N |
- |
- |
- |
D |
1st |
× |
× |
2nd |
× |
○ |
|
3rd |
× |
○ |
|
O/D |
○ |
○ |
|
2 |
2nd |
× |
○ |
1 |
1st |
× |
○ |
2nd |
× |
○ |
Dレンジの1速でエンジンブレーキが作動しないようになっているのは、通常走行時のギクシャク感を無くすためでしょう。MTオーナが乗ってエンジンブレーキが効かないと感ずる一端は、ここにあるのかもしれません。
セレクタレバーでシフトした際の1レンジ、2レンジでの強烈なエンジンブレーキはMTと比べて特に遜色のないものです。
入力信号
Dレンジのシフトはインテークマニフォールドの負圧と車速により決定されますが、それ以外の特例制御用として下表の入力信号が使用されます。セレクタレバーの位置、エンジンの負荷状況、車速、以外にこれらの状態を考慮する必要があります。
機能名 |
機能内容 |
O/D OFFスイッチ |
O/DのON/OFF指示を検出 |
4-3スイッチ |
アクセルペダルが6/8以上踏み込まれていることを検出 |
車速センサ |
車速を検出 |
オイル・プレッシャ・スイッチ |
トランスミッションがO/D状態であることを検出 |
キックダウン・スイッチ |
アクセルペダルが7/8以上踏み込まれていることを検出 |
BST信号 |
エンジンの無負荷及び高負荷状態を検出 |
・O/D OFFスイッチ
セレクタレバーにあるオーバードライブのON/OFFスイッチです。
・4-3スイッチ
アクセルベダル部分に取付けられています。アクセルが6/8以上踏み込まれている場合、ONします。
・車速センサ
スピードメータ・ドリブン・ギアに取付けられています。車速に比例した信号を出力します。
・オイル・プレッシャ・センサ
ミッション部分に取付けられています。O/D走行時にONします。
・キックダウン・スイッチ
アクセルペダルに取付けられています。アクセルが7/8以上踏み込まれている場合、ONします。
・BST信号
吸入空気量によってECUより出力されます。無負荷時と高負荷時にONします。
これらの信号でドライバが積極的に介在できるのは、「4-3スイッチ」、「キックダウン・スイッチ」、「O/D
OFFスイッチ」となります。
スポーツ走行を行っている場合は、O/D OFFスイッチはOFFのままですので、気にするのはアクセルの踏み加減だけってことですね。
制御
上記制御信号によって、通常のシフトパターンとは別に下記の制御が行われます。
O/D走行禁止
以下のどちらかの条件が満たされると、O/D走行が禁止されます。
・車速100±2km/h以下 & 4-3スイッチON(アクセルを6/8以上踏んでいる)
・車速140±3km/h以下 & O/DスイッチOFF
ロックアップ禁止
O/Dでロックアップ走行時、BST信号が入力(エンジン無負荷または高負荷)されるとロックアップを一時的に解除します。
キックダウン
車速140±3km/h以下で、キックダウン・スイッチがON(アクセルを7/8以上踏んでいる)した場合、キックダウン(1つ下のギアへのシフトダウン)を行います。
車速100±2km/h以下でO/D走行中でのキックダウンは、わずかに遅延されます。これによりO/D→2速のタイミングを最適にしています。
ロックアップ作動&解除
O/Dに変速され、車速が設定値以上になるとトルクコンバータはロックアップされます。
O/D以外ではロックアップ機能は働きません。
セレクタレバーによるマニュアルシフト
セレクタレバーによる変速は、2速ホールドと1速ホールドがあります。
・2速ホールド
2速ホールドを選択すると、車速約90km/h以下であれば、2ndへシフトされます。2速固定となります。
・1速ホールド
(1)
3速以上のギアが使用されている場合、車速約90km/hで一旦2速へシフトし、約40km/hで1速へシフトされます。
(2) 2速が使用されている場合は、車速約40km/hで1速へシフトされます。
1速固定となります。Dレンジの1速と異なりエンジンブレーキが可能です。
自動変速マップ
Dレンジでの自動変速は、上記の制御信号に規制されない場合は、インテークマニフォールドのバキューム圧(エンジンの負荷)と車速によって制御されます。
簡略化してありますが、マップを図に示します。
ただ、実際には体に覚えさせるしかないですね。バキューム圧は感覚で掴むしかないですし、車速もいちいちスピードメータ見てるわけにはいかないですから・・・。
シフトアップの推移図
シフトダウン推移図
注:上図はかなり簡略化しています。実際のシフトポイントは多少のばらつきがあります。
シフトダウンは車速が10km/h程度にならないと、全くなされないようなもんだってのが良く解りますね。登りのタイトコーナ等で車速が落ちても、シフトアップで2速であった領域でも、ほぼ3速のまま維持されています。のんびり走るにはシフトショックが無くて良いのでしょうが、積極的に前へ出そうと思うと、2速又は1速へシフトダウンしてもらわないと困ります。素直にセレクタレバーを操作する以外手が無いってことです。
28Dec'99