AT車のフォグランプ

 

AT車のラジエタには ATF(オートマチックトランスミッションフルード)を冷却するATFクーラがビルトインされています。

NA6CEのAT車の場合、ミッションから2本のパイプがエンジン右下部を通り、ラジエタ右下部へ接続されています。これが、ATFクーラへの配管です(MT車には無いですから、比べるとすぐ解ります)。

ATFクーラは、ラジエタのコア(ヒダヒダのとこ)の一部をATF専用に使用している訳ではなく、ラジエタ下部分のロアタンク(黒い樹脂部分の所)にATFの配管が通されて、ロアタンクの一部のみをATF用に使用しています。内部構造までは不明ですが、ロアタンクの一部を区切って半水冷半空冷のような構造のようです。ディーラのメカさんにも聞いてみたのですが、整備書にもラジエタの内部構造は記載がありませんでした。メカさんは水冷だろうとのことです。

ATの内部には湿式クラッチが多数組み込まれています。クラッチの摩擦によりATFの温度が上がるため、クーラが必要になります。MTは乾式クラッチですので、不用ですよね。

ATFの限界温度がどれくらいなのかは、まだ調べられて無いです。ATFは、標準では油温や油圧の測定メータを持たないですし、ATが滑るまでは体感度が低いため状態が掴みずらいので気にし出すと怖いですね。

MTミッションのオイルも当然温度は上がりますが、潤滑が主な役割です。これと違ってATミッションの場合は、トルクコンバータのトルク伝達、副変速機湿式クラッチ類の潤滑、変速油圧系の作動の役割があります。MTミッションのオイルと違いATミッションのATFはオイルの役割がかなり重要で、また負担も大きいってことです。
そもそもATFクーラが装備されているってのは、使用状況によってはかなり油温が上昇することを証明していますよねぇ。

で、本題。Miata Service Bulletinsの「002/90」には、
「開口部へのフォグランプの取り付けは推奨できません。(左ハンドルのミアータの)ドライバー側のフォグランプはATトランスミッション・クーラーへの空気の通過を妨げます。」
と書かれています(ユーノスロドスタの場合、配管は右側だから、ミアータは左右逆?)。

純正用品カタログに出ているプロジェクタ・フォグランプが「AT車には装着できません。」と記載されているのは、ラジエタのサイズ等で取り付け場所が無い(純正のプロジェクタフォグは基部がかなり大きい)んだろうと思っていたのですが、冷却性確保が理由かもしれません。ただ、同じく純正用品カタログのCIBIE製のフォグランプは、適合が「全車」となっています。確かにCIBIEの丸型フォグは基部が無いに等しいですが、通風を妨げるのは同じだと思うんですけど、ちょっと??です。

また、上で書いたようにATFクーラがLLCによる水冷を主体としているならば、ロアタンク部分への通風だけを重要視するわけは無いので、水冷だけでなくロアタンク表面からの空冷も考えられているのだろうと思われます(ATF配管部分のパッキン劣化により、LLCにATFが混入する故障を経験していますので、水冷であることは間違い無いです)。

ただ、MT車よりも開口部の遮蔽には神経質になった方が良いってことは確かです。オイルクーラまで付けているのに、油温は見れないわけですから、安全マージンを減らすような事はしない方がいいですよね。

うちのにもPIAA製のプロジェクタ・ドライビングランプが付いていたんですが、Miata Service Bulletins見て取り外してしまいました。ATの割にはかなり負荷の高い運転しますんで(^-^;)、はい。
      今は補助燈ありません。

 

24Jan'00,10Sep'99,29Aug'99,21Aug'99,15Aug'99

OPEN HOME

inserted by FC2 system