NA6CEのATミッション

NA6CE(1.6Lのロドスタ)のATは MTに約半年遅れでリリースされました。 国内はもちろんですが、北米での販路拡大を狙ったようです。結局NA6CE、NA8C(1.8Lのロドスタ)を通じて大きな比率を占めずに終わりました。 国内でもスポーツ・カー、スポーティ・カーと呼ばれる車種においてさえAT比率が高いことを考えると、ロドスタという車がいかにピュアであ るかを物語っていると思います。

ではなんでATに乗っているか?といえば、まぁ家庭の事情です(^_^)。
NA6CEベース車(パワステ、パワーウインドゥ無し)から乗り換えるとい う極端な展開を経ています。

ATのセレクタ NA6CEのATミッションは
BONGO用のものが移植されました。最近の電子制御になる前世代の油圧制御のものです。この時代のマツダのATミッシ ョンはシフトショックがかなり過大です。中古で買ってすごいシフトショックでも最初からそんなもんですので、安心して下さい(友人は壊れて んじゃないの?と言いますが、昔のATはこんなもんです)。

これより一世代前のATミッションは各社似たようなものだったのですが、NA6CEのATが発売された時点でも、すでにマツダのATは少々時代 遅れの感があるものでした。
ファミリア等には電子制御のEC−ATと呼ばれるものが採用され出していましたが、縦置きATミッションをロドスタ専用に起こすほどの販 売量は見込めなかったのでしょう(NA8Cよりホールドモードを持つ電子制御EC−ATとなりました)。

バブル絶頂期ですから、起こしていてもと思わないではないのですが、それだけマツダ自身もATよりはM Tに乗って欲しかったのではないかと思います(でも、MTもカペラかルーチェからの転用ですよね...)。


パワー不足を感じるか?

ATの場合、下のトルクを太らせるため、MTに比べ10PS減の110PSとなっています。
元々MT車でもパワーを楽しむ車ではなく、限られたものを使いこなす喜びを与えてくれる車だと思うのですが、MTでも120PSはちょっ と腕に自慢の方には不満かもしれません。
私自身にはATのパワーでも十分だと思っています。

 

最高出力
(ps/rpm)

最高トルク
(kgm/rpm)

NA6CE(MT)

120/6500

14.0/5500

NA6CE(AT)

110/6000

14.0/4500

 

トルク、パワーカーブ

エンジン特性は上図のように、MTと比べると5000rpm以下のトルクが非常に太っています。街乗りにはいいですね、これ。
ただし、6000rpm以上はパワーが落ち込んでいますので、踏んでも踏んでも6000rpm以上は回りたがりませんし、回しても全然美味しく無い です。また、2500〜3500rpm間のトルクは回転数に比例して伸びてませんので、体感的にトルクが薄い感じがします(と言うか、この領域は 加速に使うので、3500rpmを越えたあたりから加速感が強まる)。
それでも、5000rpmまではMT用エンジンよりパワフルです(でも、ボコボコしたトルクカーブだなぁ、これ)。
トルクの出方的には1.8LのBP型エンジンに近いですね。BPも最大トルクが4500rpmで、似たようなトルクカーブをしています(ただし、絶対 トルクは16kgmもあって全然違いますけど)。


MTのNA6CE vs ATのNA6CE その差異は、

 ・エンジン圧縮比
 ・エンジンカム角
 ・ECU(エンジン制御用のコンピュータ)
 ・エキマニ(エキゾーストマニホールド)&マフラ
 ・デフ

等が大きな違いです。

圧縮費は、 停止した時にトルクコンバータの負担によってエンストするのを嫌ったのではないか(某ロドスタチューニングSHOP談)と 思われます。MTが9.4、ATが9.0です。

カム角は、 低回転時のトルクアップでしょう。ATの場合、「D」レンジだけのおとなしい運転を行なうと3000rpm以上回ることは希です から、MAXパワーよりドライバビリティを考えるとこうなると思います。

バルブタイミング MT AT
吸気 開き 05° 05°
閉じ 51° 40°
排気 開き 53° 55°
閉じ 15° 05°

ECUは、 上記の差異と上記で求めた特性の向上のためと思われます。MT車用の品番とは違うものが使われています。
そもそもAT車は希な上にECUを交換しようという人はさらに希ですので、市販のチューニングECUがAT対応品を出しているか興味 のあるところです。

エキマニは 純正はMTとATで同一品番なのですが、市販品の物は概ねMT専用でAT車には適合しません。ATミッションの外形が MTミッションより大きいため逃げの曲げが大きい必要がある(某ロドスタチューニングSHOP談)そうなので、社外品のエキマニは曲げを純正品より減らしているために、ATミッションに接触するのかもしれません。
市販品でNA6CEのAT用のものはどうやら無いようです。

マフラーも 別品番です。
ただし今まりなちゃんに付いているマキシムワークス製の「M−Silent」はMT車に取付られていたものを 譲ってもらった物です。何の障害も無く装着できました。
前に乗っていたMTベース車の純正マフラーと比べるとAT純正マフラーの排気音は非常に静かに感じます。品番の差異はこれでしょうか ?(未確認)。
NA6CEの前期型だけでも、5種類のマフラ(AT用5種類、MT用5種類)が存在します。改良される度に品番は変りますので、こうなってるんですが、音質も影響を受けているかもしれません。

AT車で市販品のマフラーに交換する場合、MT車に比べて3000rpm近隣を使う事が多くなりますので、排気共振音が耳につくかもしれま せん。
また、MT車のようにギアチェンジで回転数が大きく変えられる場合は、音の変化を楽しめますが、連続的に回転数が変化するAT 車では同じマフラーでも印象が変わってきます。


オーバドライブのランプ



ちょと休憩1(-_-)。

この写真はメータナセルのスピードメータ部分です。
MT車とAT車での車内の差異はシフトレバーがATセレクタになっている以外に「OD/OFF」のランプがあります。
MT車の方は見たこと無いでしょ? スピードメータ内下部にあるのが「OD/OFF」のランプです。

          O/D
          OFF  ←こんなランプ
オーバドライブOFF時にオレンジに点灯します。

 

 


デフは NA6CEのMT車は純正でビスカス(ビスカス・カップリング)のものが装備されています(ビスカスは封止されたオイルの粘度によ ってトルク伝達を行なうものです。ボールの中でクルームを泡立てる時、泡立て機を回すとボールも回るのと同じ原理。)。
これをデフに用いた場合、左右で回転差が生じてから(つまりコーナリング中に内輪が空転し出してから)しか効果が生まれませんので、 まぁ雪道のスタック対策程度に考えるべきでしょうか。スポーツドライビングをされる方々はNA8Cのトルセン(トルクセンシング)デフ 移植か、機械式デフに交換してますね。

AT車の場合は普通のデフが純正です。オープンデフ。つまりビスカスも無しです。片輪が浮くと浮いた側に100%トルクが伝達され て空転します(つまり前に車が進まない)。
パイロンでジムカーナの練習をして解りましたが、効かないと評判のビスカスでもオープンデフとの差異は十分体感出来ます...。

ATにビスカスが採用されなかった理由は、ATでそんなに追い込んだ運転をする人は居ないだろうと言う事でコストダウンで削られたの ではないかと思っています。

最終減速比は、 某誌にNA6CEのATは4.444であると記載されていたので、そのようにここでも書いていたのですが、デフのファイナル・ギアは、

というのが調べ直した結果です。パーツカタログはディーラや整備工場で部品発注に用いるものですから、一番信用できるとすると、追補版の整備書「WM2006(2)」が誤記載であると思われます。

ファイナルを4.300として、MTとATでのエンジン1回転に対するタイヤ回転数を算出すると下表のような差異となります。


 

1st

2nd

3rd

4th

5th

NA6CE(5MT)

0.0724

0.1232

0.1749

0.2326

0.2857

NA6CE(AT)

0.0819

0.1509

0.2326

0.3230

 
AT/MT[%]

113

122

133

139

 

 

ラジエタは AT用はMT用より大型です。
1台目の超初期型(H1年9月納車)は六甲山(神戸の裏山)をちょっと元気良く登るとをあっという間にオーバーヒートしましたが、今 のまりなちゃん(H2年前半初登録)はオーバーヒート未経験です。冷却効率UPのデバイスは一切付加していない純正状態です。
AT用ラジエタは、ATF(オートマチック用のオイル)を冷やすサブ・ラジエタ・タンクが付加されていますので、MT用とは構造的に異なる部分もあります。
ラジエタの熱容量は、


型式 ミッション 放熱量[Kcal] NA6CE(MT)比[%]
NA6CE MT

27,300

 
AT

37,300

137

NA8C MT

35,500

130

AT

46,500

168

NA6CEのMTでオーバーヒートに悩まされている人は、NA8CのAT用ラジエタが中古で入手できると美味しいですね(新品で取ると¥60,000.-程します...)。

キーは セレクタを「P」位置にしていないと抜けません。
キーを抜いて車を停める時は、「P」にしなさいっていう安全対策ですね。機構 は単純で、「P」にするとセレクタ部分にあるワイヤーが押されて、キーのロックが解除されるようになっています。
「P」と「N」で抜ければいいのに...って話があったんですが、単純に1番前の「P」位置の所にワイヤに繋がる飛び出し部が あって、それを押しているだけなので、「P」位置でしか実現できません(完全に殺しちゃうのは簡単ですが、安全性上よろしくない ですしねぇ)。


ATミッションできびきび走りたい!

んで、色々やってみました。
このATミッションは、「D」レンジのままで、さほど加速ΔVが無い場合は2000〜3000rpm程度でシフトアップされます。そのまま乗って いると重い印象を受けます。MT車のエンジンでも3000rpmまでは、トルク感のないB6エンジンですので、AT用にモディファイしてある と言っても基本特性は引き継いでいるでしょう。したがって、もっと回転を上まで引っ張ってやれば良いことになります。当たり前ですね (^ー^;)。

ただ、MTに比べてATは4速で全てをカバーするためにギア比が離散しています。最終減速比の表にあるように、山道等で多用したい2 速がかなり高いギア比となっていますし、ATで多用する3速(「D」で通常使用されている場合が多いギア)などは、MTの4速に近い 値となってます。
トルクコンバータは100%パワーを伝達せず、約10%程度ロスがあります。
つまり、ギア比が離散していることと、トククコンバータのロス分をテクニックでいくらかでもカバー出来れば...ということになりま す。

まず、このATの各ポジションの機能。

「P」arking
パーキングです。説明いらないですね。最近のAT車は誤発進防止のため「P」でブレーキを踏んでいないとエンジンがかからないような 機能が付いていますが、NA6CEの場合エンジン停止時に「P」でセレクタがロックされる機能があるだけです(このロックもセレクタ横の スライド・スイッチで解除できます)。
また、他のポジションでもセル回ります(^ー^;)。
よく使う手として一時的な停車(ガソリンスタンド等)は「N」でエンジンを切るってのがあります。キーは「P」でないと抜けませんが、 このような場合はセレクタのロックボタンを押してガチガチしなくていいので楽です(ただし、サイドブレーキはMT車のようにしっかり 引く事)。

「R」everse
バックです、終わり。

「N」eutral
ニュートラルです、終わり。

「D」rive
ドライブです。ATミッションですので発進から1>2>3と変速します(当たり前ですが...)。それぞれ2500〜4500rpm程度(加速 状態により差異あり)で上のギアへ推移します。通常領域では問題ありませんが、きびきび走りたい場合は各ギアでもう少し上の回転数 まで使うか、望みの回転数でシフトさせる必要があります。

「2」nd Hold
2ndに固定(Hold)されます。発進時から2ndですので、これで発進すると遅いです。雪道での発進、1>2のシフトショック(これがこ のATで最もショックが大きい=発進で負荷がかかっている状態なので)が嫌な場合等に使います。きびきび走る場合に多用しますが、そ れは後述。

「1」st Hold
1stに固定されます。非常にギア比が低いので20km/h以上の速度で「1」へシフトするのはやめた方が無難です。上りのヘ アピン等でかなり実験しましたが、回転を合わせてシフトする技は編み出せませんでした。

「セレクタ・ロック・スイッチ」
セレクタのパターン MTしか乗ったことのない方で勘違いされている場合が希にありますが、全てのセレクトにロック・スイッチを押す必要はありません。 フリーで動く場合とロック・スイッチを押さないとセレクト出来ないパターンがあります。

並びは一般的な直線パターンで、車両前方よりP−R−N−D−2−1となります。
赤矢印がロック・スイッチを必要とする動作、青矢印がフリーで動く動作を示します。


ATFのレベルゲージ・スティック



ちょと休憩2(-_・)。

ボンネットを開けて、エンジン右後方の写真です。
MT車とAT車でのボンネット内でパッと見て解る差異がこれ。オレンジの丸い物が見えるでしょ。
これはATFのレベルゲージ・スティックの頭の部分です。エンジンオイルは黄色いわっかですが、ATFはオレンジの丸いポッチです。

これも知ってるのはATのオーナだけ...って言っても全然自慢にならないですね(^-^;)


「OD(オーバードライブ)スイッチ」
ベースは3速ATミッションでODが付加されています。
3速時にODのスイッチをONにしていると4速状態と出来ます。ODは主に高速道路での巡行用です。
ただし、ODをOFFにしてい てもX50km/hを越えると自動的にODがONになった状態になります(メータナセル内の表示はOD−OFFのまま)。この場合、素 直にODのスイッチをONにしましょう。そのまま走行していてコーナ等で減速しX50km/h近隣になると、何の前触れも無くODがO FFされます!それなりのショックで姿勢が乱れますのでスリッピーな路面やコーナリング中の場合は、あまり楽しくない結果が待って いるかもしれません。なんにしてもけっこうドッキリしますんで忘れずONに。

 

もっときびきび走るにはですが、簡単に言うとマニュアルでシフトするってことです。
また、この時代のATミッションはシフトアップは自動ですが、シフトダウンは自動ではやってくれません。ODの4速はすぐ解除されますが、ほとんど止る様な速度でないと1、2速へはシフトダウンせずに3速のまま 走行します。

キックダウン(床まで踏み込むと1つ下のギアへシフトダウンしてくれる機能)は、本気で踏み込んでやらないとシフトダウンし てくれませんし、「D」で床まで踏んで突如シフトダウンされると、とんでもないシフトショックとなります。キックダウンは使わない 方がいいです。手で「2」へシフトしましょう。

・「1」は非常にローギアードですから発進で回転を上げ等のロケットスタート用に使います。

・「2」は「1」で引っ張った回転を維持し続けて加速を続ける場合、「D」では回転が低すぎる場合に使います。

・オーバードライブは高速巡行以外は常時OFFと考えましょう。

各ギアの守備範囲

上図は、タイヤ直径を560mmとして計算した、回転数と速度と各ギアの関係です。
先に紹介したトルクカーブから引っ張れても6500rpmですから、1速6500rpmからシフトすると2速では3500rpm程度に なります。ここで3500rpm以下に落ちると2500〜3500rpmのトルクの平坦な部分にかかってしまいますので、加速感が 途切れてしまいます。
でも、この回転差はかなりのシフトショックを招きます。シフトした直後にアクセルをちょっと抜いて回転を合わせる 事は可能ですが、MTと違って人間が制御してるわけではないので、タイミングを計るのは非常に難しいです。

以下はちょっとした実例です(ジムカーナ練習とかだと、なりふりかまわず1速へ叩き落しますが、それについてはまたね)。

(実例1:発進加速)
「D」でスタートします。「1」>「2」と自動シフトしたショックを感じたら「2」へ手動シフトします(ロック・ボタンは押さなく てもセレクトできます)。そのままアクセルを踏み続けましょう。高回転域まで気持ち良く引っ張れます。
油断している大型セダンはこれで十分引き離せます。

(実例2:発進加速)
「1」でスタートします。6000rpmは引っ張ります。「2」へ手動シフトします(「1」>「2」はロック・ボタンを押さなくてもセレク トできます)。
油断している○IVICなら...。冗談はさておき、「D」加速&自動変速に比べかなりの加速ΔVが得られます。ジムカーナ練習等の 発進には絶対「1」ですね。

(実例3:上り)
山の上り等は「D」ではギアが高い場合がほとんどです(ODがONなど論外)。60km/h以下であれば、躊躇せず「2」へシフトしまし ょう。ロドスタ本来の使用回転数領域が使えます。ちなみに100km/h程度までであれば「2」へ入れたとたんシフトします...(けっ こう使えたりして=但しショック過大につき注意!)。

(実例4:市街地追い越し加速)
高速道路を巡行するような速度領域でない限り、「2」へシフトします。回転数が上がると同時にアクセルを踏み込みエンジン・ブレーキ を避けましょう。回転数は当然車速によりますが、概ね追い越し状態の速度であれば4500rpm以上にはなりますので、十分な加速ΔVが得ら れます。

(実例5:加減速の激しい市街地)
「2」のままにします。適度なエンジンブレーキが効きますし、加速も得られますので、ATにありがちな前走車に遅れる&追いつきすぎ てパコパコとブレーキを踏むという状態を避けれます。

(実例6:市街地速度で前走の遅い集団に追いつきそう)
「D」で走行していたら「2」へシフトします。それなりの速度領域までであれば、適度なエンジンブレーキが得られますし、前走車の集 団が加速したら「2」ですので、十分な加速が即座に得られます。
ちょい先の信号が黄色になって減速しないといけない時も「2」にしてやると適度なエンジンブレーキで具合がいいです。




ちょと休憩3(^_^)。

セレクタレバー セレクタ・ノブ
セレクタレバーAssy                    ATノブ

うちのセレクタレバーはシフトのし過ぎでレバー根元のブッシュが割れてぐらぐらです(ちょと元気良く「D」> 「2」をやり過ぎたとい話も...(^-^;))。

セレクタはブッシュ単体での部品設定はありませんです。そもそも簡単に分解出来る構造にはなってないです(やってやれないことはないけど・・・無理だと思ってね)。修理はAssyでの交換になりますです('93年3月時点で¥16,400.-)。

うちのは、AT>MT換装を行った方からセレクタレバーAssyを譲っていただきました。
交換は、ユニットのセレクタレバーAssyそのものは室内側 から固定されていますが、ミッションとのリンケージを外すのにリフトして車両下側から接続ピンを抜いてやらなければなりません。

ノブは良く見るとけっこう複雑な形状をしています。NB(新型ロドスタ)のATノブは左側が下がった形状をしています。


基本的には適時「D」と「2」を使い分けるシフトを行なう事が主体となります。「1」は走行中使うにはギア比が低すぎますし、「OD」 は高すぎます。 また、過大なシフトショックもATのギア比にマッチしたある最適な負荷状況&速度においては、ほとんど無い領域があります。色々なシ ュチエーションで実験してみて下さい。

ATはトルクコンバータが介在するため、 MTのようにダイレクトに回転数が車速に反映されません。
「アクセル踏む」→「回転数上がる」→「トルクコンバータがチャージされる」→「車速上がる」または、
「アクセル放す」→「回転下がる」→「トルクコンバータが逆チャージされる」→「エンジンブレーキ効いて車速下がる」となります。
このトルクコンバータの遅延分が人間側の感覚とズレを生むため、AT車をスムーズに運転するのを難しくしています。

これを補うには頭脳プレーしかありません。遅延を無くす方法はありませんから、次に道路の状況(コーナの曲率、信号の状況、前走 車の挙動)がどうなるかを事前に予測して、アクセル&ブレーキ&シフトを操作することとなります。MT車でも当然同じ事をやって いるわけですが、AT車はトルコンの遅延分がさらに加算されていますので、より先まで予測する必要があります。

これを全く行なわないと、「思った程加速しない」→「アクセルぱかっと踏む」→「ちょっと遅れて思ったより車速上がる」→「前走 車に追いつき過ぎた」→「ブレーキぱかぱか踏む」というATの悪い見本のような運転になります。
山に篭ってエスパーになりましょう(嘘)。

予知能力は無理ですが、心がけて運転するだけで見違えるようにスムーズな運転になります。漫然とアクセルとブレーキを操作するの ではなく、常に次の事態に備えた操作をしませう。
ATってスムーズに速く走らせようとするとMTより難しい局面が多いです。
私の市街地での常用回転数は3000〜5000rpmってとこでしょうか? 通常のMTと大差ないと思います。「D」レンジだけで走ると市街 地では回っても3500rpm程度になります。

で、この世代の遅れた油圧制御のATですが、シフトショックが過大なのはご愛敬として、電子制御で無いためマニュアルシフトをし たい人間には好都合です。
最近の電子制御ATはセンサからの入力やドライバの特性等でコンピュータがシフトスケジュールを修正します。対して油圧制御はい つも一定のパターンです。次にどうなるか予測するには油圧制御は非常に好都合と言えます。

中古で買う場合、MT車に比べていじられている車が少ない&程度が良い場合が多いってのが利点でしょうか?(ただし、台数も少ないです)。


ちょと休憩4(・_・)。

ATF交換工賃 by マツダアンフィニ兵庫 西宮店

       作業名/部品名         数量   単価   金額
S2156 ATF入替                       *  |     |      | 2,600 |
K001W0046 ATF M3 (1L) (定価 ¥1,000) *  | 6.7 | 700  | 4,690 |


技術料  部品代  部品整備合計  消費税  合計金額
2,600   4,690   7,290     364    7,654

 

12Feb'00,05Nov'99,11Aug'99,31July'99

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