前足の交換はちょこっとコツがいりますが、
慣れると簡単です。
やる気のある方はぜひチャレンジしてねん。
画像提供:森脇@和歌山さん
作業車両:FOX中野さん
*****注意*****
ジャッキで上げただけの状態で絶対に作業しないこと。
必ず馬(リジットラック)を使用しましょう。
ジャッキはガレージジャッキでも横方向の力には全く脆弱です。足交換では、硬く締まったボルト類を緩めるので、けっこう力や振動が加わります。ジャッキだけの状態では非常に危険です。
前足はダブルウィッシュボーンのアッパーアームがダンパーを囲むような形状(A型)をしています。
したがって、ダンパを上方向へ抜くしか無いんですが、アッパーとロアのアームが合体していると、抜くだけの余地が無いのでアッパーとロアを分断します。
このままだと抜けない〜。
本来の整備書手順では、ボールジョイントプーラを使用してボールジョイント部分を分断するように指示されていますが、ここで説明する方法はボールジョイントプーラ等の特殊工具無しで分解&交換する方法です。
「ユーノス・ロードスター チューニング・バイブル」
タツミムック 1998年12月10日発行
ISBN4-88641-341-2
C9476 本体¥2,000+税
に出ている方法と同じです。この本買って見るのも良いと思いますよん(^-^)。
これで抜けます。
過去に交換経験のない車両ではネジ&ナット類がかなり固着していますので、前日&作業前にCRC5-56等の潤滑剤を噴き付けておくと、楽に緩みますしネジがなめるのも避けれて(^-^)Y です。
取り外し
・ジャッキアップして馬(リジットラック)に乗せる。
説明は不要ですよね・・・。一応書くと・・・
フロントはサスのサブフレームの左右に渡っているメンバ部分。リアはデフにジャッキをかけます。ほとんどの車両が前が低いので、前から上げて馬に乗せ、後ろを上げて馬に乗せる(下ろす時は逆)という順番になります。
車高を落としてる等で、ジャッキが入らない場合は、板切れ等をタイヤの下に敷くとOKですよ!。
・ダンパー上端のナット
取り外したダンパとバネを別々に使いたい場合、事前にこのナットを緩めておきます。ちょっとだけ緩めるだけね。
ダンパとバネを一体で取り外してから緩めようと思うと、万力か何かでアッパーマウントを挟んでやらないと力がかけれなくて苦労します。
17mmナット。ディープソケットでなくてもOKです。
・アッパーマウントのナットを緩めておく。
落ちてくると邪魔になるので、軽く緩めるだけにしておきます。
タワーバーがある場合は勿論、無くても周辺のハーネス等が邪魔になるので、ラチェットとエクステンションがあると便利。
14mmナット(ワッシャ無し)。
・スタビライザのリンクを外す。
スタビの上側のリンクを外します。下側はレンチが入れづらいので、上側の方が楽。スタビを繋いだままにしておくと、アームを下げようとしても反対側の足まで繋がっているので、下がりません。
スタビのリンクを外しておくと、左右干渉せずに作業出来ます。
14mmボルト&ナット(スプリングワッシャ有り)。
この車は一度も緩めた事が無いので、
足を使わないと緩みませんでした。
・ダンパ下端のネジを抜く。
ナットが抜けても力が加わっているので、ボルトは手では抜けません。
(1)引くような力を加えながら、黙々と回す。
(2)アームを押し下げて、ボルトに力が加わらない位置で一気にひっこ抜く。
(3)ボルトの頭とは反対側にドライバを当ててハンマーで殴って抜く。
のいずれかで抜いて下さい。ネジが傷むと嫌なんで、私はラチェットで黙々と回します。
17mmボルト&ナット(スプリングワッシャ有り)。
この方向は力を加え易いので足じゃなくてもOK。
・ダンパ下端を引掛ける。
アッパーアーム前端のボールジョイント部分を踏んで、アームを押し下げ、ダンパ下端を画像の部分に引掛けます。
・ロアアーム隠しネジを抜く。
ダンパの下端がはまっていた部分のロアアーム内部にボルトがあります。これを抜きます。
17mmボルト(ワッシャ無し)。エクステンションが無いと無理な位置にあります。
・ロアアーム前端ボルトを抜く。
ロアアーム前端のボルト抜きます。ダンパー下端と同じくナットが外れてもボルトは抜けません。上記の(1)、(2)、(3)の方法で抜いて下さい。
17mmボルト&ナット(ワッシャ無し)。
・ロアアーム前端部分を引き抜く。
CRC5-56等潤滑剤を噴いて引っ張るとスポンと抜けます。
これで、アッパーアームとロアアームが分断されましたので、ダンパを引き抜くクリアランスを確保出来ました。
・アッパーマウントのナットを外す。
緩めておいたアッパーマウントのナットを外します。
・アームを下げる。
ロアアーム側は前端の開いた口から、スピナーハンドルやスパナ等適当なものを突っ込んで足で踏みつけます。アッパーアームはボールジョイント部分をもう1人に踏んでもらいます。
この状態で上側からダンパ&バネを取り外します。抜き出す時にフェンダを傷付けないように注意!。
アッパーアームを踏んでいるグレーの靴に注意。
取り付け
外した手順と逆手順でOKです。
純正では、ボディ側の塗装の保護用と思われる薄いプラスチックのシートがアッパーマウントとボディの間に挟んであります。社外品のショックセット等には付属していませんので、移植しておきます。
また、ゴムブッシュの介在する部分
・スタビライザーのリンク
・ダンパー下端
は、そのままの状態で締め付けると、足が伸びきった状態で締め付ける事になります。ホイールを付けて車両を馬から下ろし重力が掛けると、足が縮み常時ブッシュがねじれた状態となります。
これを避けるには、ジャッキでアームを持ち上げ近隣の馬からわずかに車両が浮く状態(重力がかかっている状態と同じアームの位置)で、上記2点の締め付けを行います(めんどうなんで、あまりしないけど・・・(^-^;))。
取り付け時は、ボルトやナットのネジ部分を綺麗に拭いて、グリスを塗布しておくと錆びないのでボルトが固着せずGood!です(CRC5-56等の潤滑剤は揮発しちゃうので、意味無いでっす)。
コツ
ボールジョイントプーラを使用しないため、外しづらい隠しボルトを外しています。この外し方がコツ。
隠しボルトを外す時には、ダンパ下端をロアアームのダンパ受け部分の板金に引掛けるのがコツです。引掛けないと、隠しボルト部分へ工具を入れるにの、ダンパが邪魔になって苦しみます。
逆に装着時は、ロアアームより引き抜いた部分を正規の位置へ収めるのがコツです。
ロアアームより引き抜いた部分は、ロアアーム内で上下に動く余裕があります。ロアアームはダンパによって下に押されていますので、引き抜いた部分は赤で図示したようになっています。
ロアアーム下の隙間より、マイナスドライバやバール等を突っ込んで、これを青で図示した位置にしてやると隠しボルトはすんなりと締めれる位置にネジ穴が来ます。
ロアアーム前端の前後に通るボルト&ナットを事前に通しておいてナットを軽く止めておくだけにします。前後位置も固定される&隠しボルトの受け部分も軽く動くので、上記作業がやりやすくなります。
慣れると前後全て交換するのに、2時間かかりません。最初にやった時は4時間くらい(^-^;)。
アームを踏んでもらったりしないといけないので、3人いると楽ちんです(2人でも十分できますけどね!)。1人ではやりたくないです・・・。
工賃はディーラで5万円くらい、安いSHOPでも3万円程します。
自分で全部やる気になれば、工具全部揃えてもお釣が来ちゃいます。場所が確保出来る人はZEHI!(c)MAZDA
安全には十分気を付けてねん。
20Dec'99