ドアミラー、フェンダミラーの鏡面の曲がり度合いと見え方を考えてみますです。
コンベックスクミラー・・・要は広く映すための凸面鏡です。現代の自動車のサイドミラーは、ほぼ100%凸面鏡。
Yahoo!のオークションでも上から両面テープで張り付けるワイドミラー(凸面鏡)がよく売られてますよね。曰く「800Rで視界広々〜」とかね。で、確かに純正ドアミラーも凸面鏡だし、凸面でないと見える視野は狭くなるのは解るんだけど、1000Rと800Rでどれくらい違うの?・・・と、追求しないと気が済まない困った性格です(^
^;;
で、凸面鏡だとどれくらい視野角広がるのか? 実物計測と、計算Mathソフト(仕事で使ってる)まで使用して算出もしてみました(笑)
ミラーの曲率は測定できる?
自分のミラーが凸面鏡だと、どれくらいの曲率だろう?って思いますよね。で、測って算出は出来るんですが・・・コンマ数ミリで数百Rの差になるので測るの難しいです・・・。
測ってみたんですが、すごーく誤差大きいです。あんまりアテにならないです。
一応測定方法
ピタゴラスの定理を使います。
直角三角形の直角を挟む2辺の長さをαとβ、斜辺をθとすると、
θ2 = α2 + β2
要は直角に隣り合う辺長の正方形の面積の和は、斜辺の辺長の正方形の面積と等しいということでっす。
ミラー表面に定規みたいな真っ直ぐなものをあてがい、幅100mmにおいてミラーとの間に出来る隙間aとbが等しくなるようにして、aの寸法を測ります。
曲率Rの測り方
ピタゴラスの定理から式1.となるので、これを変形して式2.にします。
・・・(式1.)
・・・(式2.)
L: ミラー計測幅(上の例では100mm)
で・・・、グラフにすると下のようになるんですが、0.1mm違うだけでRが大きく変わっちゃいます。よっぽど正確に測らないと厳しいです・・・。
測定したaと曲率Rの関係
うちのに今暫定的に付いているK.G.Worksのアルファミラーを実測&計算してみると1200R〜1000R程度みたいです。
左の画像くらいの曲がりでっす。
これはビタローニ・セブリングの中身(笑)
セブリングミラーは鏡面が首振り出来る構造になっています。筐体直付けでも鏡面が左右に振れるようにでしょうね。
で、数年前の製品には平面鏡もあるし、今は凸面鏡・・・、そもそもセブリングと呼ばれてるものも時代によって微妙に違うそうです。これは10年程前のデッドストック品。ブルーミラーで凸面鏡です。アルファミラーに比べると緩いRですね。
こっちは純正手動ミラーの助手席側でっす。
見える角度を計算する
ミラーの横幅を100mmとして、5メートル後方でどれくらいの幅が見えるのか?と、その視野の角度を計算します。
・・・・(式3.)
式3.において
L: ミラー横幅
MirrorR: ミラー曲率この式でミラーの形状を表すグラフを書けます。この曲線への接線計算したりとか色々やってますが・・・省略しますね(^ ^;
しかし、こんなことで導関数求めたり、三角関数で挟角求めたり・・・バカですね(爆)
目線の位置はうちの車で実測しましたです。ミラー幅は100mmで、
平面鏡
1400R凸面鏡
1000R凸面鏡
680R凸面鏡
の視野角度とミラーから5メートル後方の見える幅を求めています。比較できないと意味が無いので、NA6CE純正ミラーも載せてます。純正ミラーのミラー幅は170[mm]、曲率はweb上で見て回った結果1400Rらしい(?)ので、1400で計算してたのですが・・・。
18Mar'04修正
ピタゴラスの定理方式で純正ミラーを測ってみると1000〜900Rくらいの感じです。どう測っても1400Rってことはない。自動車用ミラーのxxxxRって半径xxxxの球面の一部ってことじゃないのかなぁ?? まぁ、純正ミラーに戻した時に実証してみますです。K.G.Worksのアルファミラーと映る顔の大きな比べてみると(^
^;純正の方が小さく見えるのでRキツイですね。
で、図も純正ミラーを950Rで書き直しました。
27July'06 追記 純正ドアミラーの曲率は…
「ユーノス ロードスター新型車の紹介 1989-9 NM2001-(1)」 (新型車両が発売された時にディーラ向けに発行される車両の特徴をまとめた整備書)の詳細な諸元表で、純正のドアミラーは、
異形 107[mm]×171[mm] R800 (左右共)
だそうです。ちなみにオプションのフェンダミラーは「異形 114[mm]×81[mm] R1000 (左右共)」。
平面鏡 視野角4.1° 5メートル後方で450[mm]
1400R凸面鏡 視野角12.8° 5メートル後方で1210[mm]
1000R凸面鏡 視野角15.8° 5メートル後方で1500[mm]
680R凸面鏡 視野角21.2° 5メートル後方で2020[mm]
ミラー幅170[mm]で950R凸面鏡とした純正ミラー 視野角27.7° 5メートル後方で2740[mm]
実際は、人間の目は2つあるのでこれより広く見えます。
で、うちのNA6CE(現在K.G.Worksのアルファミラー装着中)を壁を背に5メートル離して止めて、片目で見える幅を測ってみると約1460mmでした(1000Rくらいの凸面鏡の値)。でも、両目で見ると1800mmくらいは見えます〜。
それで?
見えるか見えないかって話は、人それぞれなのかなぁと思ってたんですが、凸面度合によって大きく違うですね。
でも、ミラー交換する目的ってデザインなんだから、細かいコト考えずにデザインで買うのも良いかもね? (^ ^)
ただ、平面ミラーな人は運転気をつけてね。
安全とは
純正よりどうしても見え方が劣る社外品ミラー。付けるのは個人の自由でOwn
riskで・・・と言っても、それでいいんだろうか?ってのはちょとあるよね。
うーんと思ってたんですが、福野礼一郎さんの「自動車ロン 頂上作戦」に考えさせられる話がありました。本のCMにはなるだろうから、ちょいと引用許してね(^
^; >双葉社さん
「自動車ロン 頂上作戦」
福野礼一郎著
双葉社
ISBN4-575-29676-7
第5章の「安全運転に挑む」
自動車評論家というか、車好きの代表みたいな著者と、一緒に雑誌の記事に登場する中古車屋さん達が、教習所の仮免許試験を受けてみる話。当然みんな知ってるように、教習所でしか通じないような規則もあるにはあるんだけど、そこには何か隠れているか?記事の中で紹介されている教官の模範運転は、ビシッとしてると書かれています。曰く「クルマの挙動がぴしっぴしっと節目立っている。後から見たら教官のクルマが今何をしようとしているか手に取るようにわかるだろう」。
その中の左折方法。ルームミラーとドアミラーを確認し、一瞬後方を振り返ってから左路肩にきちっとクルマを寄せる。交差点の直前では停止寸前まで速度を落としてハンドルをきり込む寸前にもう一度左後方を振り返って確認。
道交法では、左折手前30メートルで車線の左側にクルマを寄せないといけない。上記の運転は左を確認してから路肩にクルマを寄せてバイクを締め出すようにしてる。左折直前にも後方を振り返って確認・・・ここまでやれば、左折巻き込み事故なんて絶対ありえない。
この章の結びの言葉は「安全運転は己の幸福のためにするのだ」です。道交法は自分のために守る。
見えないミラーは危ないよなぁとは思ってましたが、じゃあ私はちゃんと目視で後方を確認してたかと言うとかなり怪しい。見えるミラーに慢心しておざなりの確認だけだったと思う。ちょいと反省、ミラーどうこう言うまえにやることいっぱいかもです。
現在(Apr'04)この本、ちょうど書店に並んでます。まぁ、騙されたと思って、ぜひ一度読んで見てね。ちなみに交通安全のお堅い本でないのは、表紙からもあきらか(^ ^;
27July'06,05Apr'04,18Mar'04,16Mar'04